落語ワークショップ(4/6回)「文化の違い、表現の違い」

落語をビジネスに活かそうと思って、いろいろと検討。


ちょうど良いタイミングで、落語のワークショップがあることを発見&申し込み!

(↑クリックすると、ワークショップの詳細が分かります)




さて、全6回の講座の第4回目は、



第4回「文化の違い、表現の違い」








荻野アンナ先生が病気のため、前回に続いて今回も、金原亭馬生師匠のみの講座となりました。





テーマにあるように、「表現」に関して多くの知識を得ることができました!


以下、講座でメモした内容をまとめます。






■言葉遊び
・明治から言葉遊びは文化だ(正岡子規)という流れになってしまった。


・雑俳(ざっぱい)のジャンル
1)前句付け(まえくつけ):言葉遊びの基本。これが独立したのが川柳
 五七五七七のうしろの七七を先に詠み、それに合うように五七五をうたう






2)冠沓(かんくつ)
 お題の文字を2つに分けて、それを七七の先頭と文末に入れた七七を作る。出来た句は、そのお題を表さないといけない。
 例)さくら
 さ○○○○○○
 ○○○○○くら






3)折り句(おりく)
 お題の文字を3つに分けて、それを五七五の3つの文頭に入れる。出来た句は、そのお題を表さないといけない。
 例)もみじ
 も○○○○
 み○○○○○○
 し○○○○




4)もじり
5)回文








・桜は陰木(いんぼく)。その下で陽気にすることから「陰陽」が成り立つ。
→さ:あの世とこの世の境(「さ」かい) + くら:場所を表す。
→柳の木は逆に陽木(ようぼく)。その下におばけがでるといわれ、それで「陰陽」が成り立つ。




・「直会(なおらい)」とは、祭りのあとに改めて飲むこと。
 →祭り・・・どこの世界でも祭りは神の世界の出来事とされている




・老松
 →良い意味で使う漢字。
 →「松」は天から神が降りてくる時にこの木を目指してくると言われており、降りてくるのを待つ木から、「松」となった。




・「いびつ」の「い」はお米のこと




・「たんぽぽ」は鼓の形をしており、鼓の音「タンポポポン」からきた




・「どざえもん」は生きている人の容姿が水死体に似ていたので、そう呼ばれた




・松竹梅
 →それぞれが薬となる




・桃太郎
 →明治20年に教科書に標準語で載った
 →それまでは桃で老夫婦が若返って子どもを作ったという話
 →「桃」は生命の兆し




・さつまいも
 →いまは芋と言えばさつまいも。
 →九州では「唐いも」ともいう
 →江戸でいもといえば「里芋」。野菜と言えば大根。














■動作の表現
・落語は見立ての芸
 →リアルに!立体的に!パッと見て分かるように!
 →酒やお茶を飲んで音の出すタイミングに注意(水でもいいので練習する)




噺家の勝負所「台詞を言う時の気持ちの入れ方が大事」。小咄の全体を通して、どういう感情かを含めて話す




・空間を目と言葉で表す
 →【大きなところから、中くらいの床へ、最後に小さいところへ】(師匠が習っている俳句のテクニックでもある)




・酒はなみなみつがないと失礼




・お茶は6分目(多くても7分目)
 →良いお茶は吹いて冷まさなくても読めるが、悪いお茶は熱々じゃないと出ない


・大杯(すもうの優勝時に飲む大きな杯)
 →昔の酒はにおいがきつかったので、吹かないと飲めなかったのが、名残でいまもしている




・蕎麦
 →昔は量がかなり少なかった




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・落語での歩き方
 →ゆっくり背を前後に動かす。手を振ってはダメ。
 →日本は農耕民族で、右手右足が一緒に出る文化。ナンバ歩きとも言われる




・坂道の上る
 →ひざを上下にゆらす




・稲が文化として入る前は畑仕事があった。
 →畑の土の様子を「畝(うね)」といい、「うねる」はここからきている


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・キャラクター
 →昔は見た目でどの職業の人かがわかった。またマゲで位(ランク)が一目で分かった
 →謝る時に頭を押さえるのは「マゲを守る」ことから
 →頭巾も、マゲから位が分かるのを防ぐ為




・相撲の行司は「懐刀」を入れている
 →腹を切る覚悟で行事という職をしている




・任侠シリーズの「おひかえなすって」は「私の方が若輩なので、おひかえなすって」の意味で、若輩者から名乗るのが礼儀とされた






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■関東と関西の違い
・お米を入れる器:関東は「おはち」だが、関西は「おひつ」
・関東は「七輪」だが、関西は「かんてき」






■京都からきた言葉
→インターネットのない時代だったが、瞬く間に電波した
・「お」+(はじめ数文字、以下省略)
 例)
  お+にぎり(めし)
  お+こわ(めし)
  お+かき(もち)
  お+ちり(かみ)
・「へちま」は元々は「とうり」で、
  いろはに…ほへ「と」ち…りぬ
 から
  「と」は「へ」と「ち」の間
 で「へ」「ち」「間」から。




■能について
・いきなりはじまっていきなり終わる
・広い舞台で回ると、それで時の経過を表す。
・客席側に2本の柱があり、それを能面を付けている演者が位置確認として使っている
・能面は上を向いたら喜び、下を向いたら悲しみ
・舞台の入り口に「五色の幕」がある
 →「五色」は中国から由来で、これで宇宙を表している。
  中央に「黄」
  上(北)に「黒」(玄武)※神社では紫が多い
  下(南)に「赤」(枝雀)
  左(西)に「白」(白虎)
  右(東)に「青」(竜)


 →サイコロ(インドでサイの骨を使ったもので、サイは聖なる物として扱われた)も同じ
  一:天。赤く塗るのは太陽を表す
  六:地。天竺の考えでは、地上には三六(六×六)匹の動物がいると言われる
  二:西。※ばくちでは暗闇ですることが多く、日本では三と間違いやすいから斜めではなく横に点を2つ並べた。
  五:東。
  四:北。
  三:南。
  
 →落語は座布団で宇宙を表す






三越の包装紙は赤と青(弔事用)の2種類がある




■小咄[テクニック]
・家に帰ってくる場合は、右を向いて話、相手は逆を向く。
・上下の場面の切替え
・時間の省略は「目線を一度外すこと!」
 →「省略」は落語の原点で、能と狂言にもこれがある








あと残すところ2回でこの講座はおしまいとなります。


小咄の実演もどんどん高度になってきて(はじめから難しかったですが・・・)、大変ですが、頑張り甲斐があります。