野口吉昭さんの「コンサルタントの現場力」から得たこと

ワークライフバランスコンサルタント養成講座では、小室淑恵さんをはじめ、フォローしてくれるスタッフの方もワークライフバランスコンサルタントです。

そう、「コンサルタント」なのです。

授業でも、コンサルタントについての説明や技術も教えてもらえるのですが、それだけは、かなり敷居が高いように感じました。

なんでなんだろう‥‥。

はっ!コンサルタントとしての知識が思いっきりないからということに気がつきました。

この弱みを改善するべく、まずは本から基礎的なコンサルタントの知識を吸収することに。

コンサルタントの「現場力」 どんな仕事にも役立つ! プロのマインド&スキル (PHPビジネス新書)/野口 吉昭
¥840
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著者はずっと現場にこだわっているコンサルタントさんです。

自分のワークライフバランスも現場から実践したスタイルなので、この本が一番吸収しやすいと思い購入しました。

現場力は日本らしい日本企業の強みであったのですが、2000年3月大きく揺らぎます。

国際会計基準の導入で現場第一主義の日本企業は「株主が一番」に変わります。

4つのステークホルダー「社員・株主・顧客・社員」で誰が一番かを考えさせる時代になりましたが、いまでは

株主も大事だけどやっぱり社員が大事だ

と野口さんは考えています。

経営者の視点では、賛否両論あるかもしれませんが、自分も社員が一番大事という経営者さん、大好きです。

コンサルティングのタイプを2つに分けています。

従来型:コンテンツコンサルティング(会社の方向性についてのコンサル)‥‥コンサルタントが答えを導き出す

新型:プロセスコンサルティング(クライアントのチームアドバイザーになり、クライアントに入っていく)‥‥クライアントに答えを考えさせる


コンサルタントのやりやすい業種もP29あたりからまとめています。
なんとなく、製造業が一番やりやすいのは分かるのですが、その理由も書いてあります。
心を開いてくれるスピードが一番速いから、と。

続いて流通業も現場第一主義でやりやすいようですが、自分で考えて動くというのが苦手だと書いています。
これはP32あたりに書いていますが、すごく納得がいきます。

P52からは具体的なコンサルの手法について野口さん流の考え方がまとめています。

よく聞く、仮説思考をより具体的に

「本質仮説思考」:一番大切な部分(本質)は何かを第一に考える

とあります。P101で具体的にその方法を書いています。いくつかあるのですが、「それは本当に自分らしい意見か?」っていうのにはしびれました。

さらに、デキるコンサルタントは既存のツールをそのまま利用するのではなく「自分で作る」とあります。
小室淑恵さんの本「6時に帰るチーム術」では小室さんが自分で作ったいろんなツールが満載です。
小室さんがデキるコンサルタントだと感じていたのは、そういうところだったんですね。

また、「自分軸」と「相手軸」を使い分けて考える手法はP74に。「相手軸」で話を展開する重要性が書かれています。

第2回ワークライフバランスコンサルタント養成講座で提案書を提案したのですが、そのときに、相手の課題を挙げる必要がありました。
元々、自分は現場思考だったので、それをただ単に上げるときっと良くないだろうなぁと感じていたので、ある工夫をしたのですが、それがP75にありました。
すごく考えて自分で編み出した工夫は、本では数行。
本を読めば済む話ですが、あえて「自分で作る」意味が分かったのですが、それはそうやった人だけしか分からないものでもあります。

P82には「笑いの効果」について書かれています。このあたりは他のコンサルタントの本にはない野口さんらしいテクニックです。

P93にはコンサルタントが動かす必要があるものは人ではなく、人の心だ」とあります。
これは勘違いしやすい部分ですが、経営者が従業員をコストとして考えてしまいやすいのと似ています。
P185ではそのためには説得ではなく納得させる重要性が書いていました。

P104からは具体的な話になります。
クライアントがコンサルタントに期待するのは2つ。ひとつは答えが本当に分からないとき。もうひとつは自分の中に答えはあるのが迷っているとき。

そのときに必要なコンサルタントの要素もこれまた2つ。
ポジティブさと真摯さ。

真摯さに通じるかもしれませんが、謙虚さと感謝についても重要と書いています。

P177ではパワーポイントの使い方が書かれています。標準フォントサイズを24ポイントで使っていたのは意外でした。自分はそれまで18ポイントが標準だったので。

この本はなかなか収穫の多い本でした。

(どこが出しているのかと思ってみると、「PHPビジネス新書」でした。
PHPは実践に使いやすい良書がそろっていますね。)