酒井穣さんの「はじめての課長の教科書」から得たこと

ワークライフバランスを企業に取り入れてもらう場合、最大のボトルネックはどこか?

自分自身、現場からワークライフバランスを広げようとがんばっていて、客観的な視点が必要かと、ワークライフバランスコンサルタント養成通っています。
そこで、得ることができるのは、第三者のコンサルタントでの視点と、人事の視点、そして経営者の立場が理解できました。

さて、最初に質問に戻ります。

最大のボトルネック、それは「課長」です。

ここを理論的に突き詰めて学ぶ必要があると思い、こちらの本で学ぶことにしました。

はじめての課長の教科書/酒井穣
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課長だけにその責任があるかというと、もちろん、そんなことはありません。
責任という観点では、人事や経営者、それに現場も連帯責任があると思います。

ただ、事実としてボトルネックになるのは「課長」です。


いわゆるミドル層がいまの日本では重要視されるようになってきました。

ただし、元々、課長の教育はそれほどしていなく、この本にもありますが、課長に対しての書籍もあまりありません。

課長の教育に力を入れていないまま育った次長、部長。

ある意味そのツケがいまの課長のところにきています。

そんな彼らに、課長が、

「いまこそ課長に時代だ!(オレらはがんばらないけどおまえだけ)頑張れ!」

といわれても、腑に落ちないし、かなりのプレッシャーになるのではないでしょうか?


でも、大丈夫、この本を読めば自然と勇気が沸いてくるはずです。

まず、はじめに課長と部長・係長・経営者との違いが分かりやすくまとまっています。

野口吉昭さんから「現場力が日本企業の強み」と教わりましたが、酒井穣さんからは次のことを教わりました。

中間管理職が日本企業の強み=「ミドル・アップダウン」

本の中でも紹介がありましたが、ミドル・アップダウンは一橋大学野中郁次郎教授がそれについていち早く気づき、著書も多くあるようです。
(次の読書は野中さんの著書に進みそうな予感ですが、そろそろワークライフバランスついての勉強も戻らないといけないなぁ。)

課長ばかりがクローズアップされているかと思えばそうではありません。
企業と女性の感性、子供の感覚の関わりについても書かれていたので、その部分はワークライフバランスにリンクすることができました。

最後に、課長ではない下っ端から見ると、この10年で、現場はとんでもないことになっています。

本にもありましたがITの導入で衰退するであろうと予測した課長。その教育を怠ったことで、悪い意味で

いまどきの部長
いまどきの次長
いまどきの課長
いまどきの若者

があふれかえっています。それを食い止めていたのが、現場の団塊の世代でした。

その方もいなくなった今、なんとかできるのはもう課長しかいません。

実は、課長には絶対になりたくなかったのですが、この本を読んで考え方が180度変わりました。